グループウェアとしてよく比較検討されるMicrosoft 365とGoogle Workspace。どちらを導入すればいいのか迷っている企業も多いのではないでしょうか。どちらもメール、チャット、ドキュメント作成、クラウドストレージを備えていますが、その設計思想は根本から異なります。
本記事では、これら二つのツールを公平な視点で比較解説します。
それぞれの概要(設計思想の違い)
まずは、両者がどのような設計思想で作られているかを理解しましょう。
- Microsoft 365:代表的なデスクトップアプリ(Word、Excel、PowerPoint)に加え、機能とファイル管理をクラウドへ拡張したツールです。高度なデータ処理や文書作成に向いています。
- Google Workspace:ブラウザ(Chrome等)での動作を前提とした、クラウドネイティブなツールです。シンプルかつ直感的な操作性と検索性の高さが特徴です。
主要プラン比較
ビジネスで一般的に選ばれる3つのプランを比較します。
※年契約の場合の料金です。
※執筆時(2025年12月)より改定されている可能性があります。
Microsoft 365
| Business Basic | Business Standard | Business Premium | |
|---|---|---|---|
| 月額 | ¥899 | ¥1,874 | ¥3,298 |
Google Workspace
| Business Starter | Business Standard | Business Plus | |
|---|---|---|---|
| 月額 | ¥800 | ¥1,600 | ¥2,500 |
主要機能比較
「何ができるか」に大きな差異はないため、ツール選びの際に機能面を重視する必要はありません。
| 機能 | Microsoft 365 | Google Workspace |
|---|---|---|
| メール | Outlook (Exchange Online) | Gmail |
| 予定管理 | Outlook (Exchange Online) | Google カレンダー |
| チャット | Teams | Google チャット |
| ストレージ | OneDrive | Google ドライブ |
| 文書作成 | Word | Google ドキュメント |
| 表計算 | Excel | Google スプレッドシート |
| スライド作成 | PowerPoint | Google スライド |
| ビデオ会議 | Teams | Google Meet |
| フォーム作成 | Forms | Google フォーム |
| サイト作成 | SharePoint | Google サイト |
| アプリ作成 | Power Apps | AppSheet |
| 生成AI | Copilot(有料) | Gemini |
それぞれのメリットとデメリット
| サービス | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| Microsoft 365 | 使い慣れたデスクトップアプリ ローカルとクラウドのハイブリッド WindowsOSとの親和性が高い 高度なセキュリティ機能 | 機能が多く、使いこなすのに学習が必要 ローカルの場合、同時編集時に競合が発生しやすい |
| Google Workspace | 同時編集がスムーズで「待ち」がない シンプルで直感的なUI ブラウザだけで完結し端末を選ばない 圧倒的な検索性・共有性 | 複雑なレイアウトやマクロに弱い オフライン時の機能制限がある |
選び方のポイント
選定に迷った際は、以下の視点でチェックしてみてください。
- 社外(取引先)との状況:取引先とのやり取りがExcelやWordが多いなら、互換性トラブルを防ぐためにMicrosoft 365が適しています。また、中国に取引先がある場合、21Vianetが運営する「中国版Microsoft 365」がありますが、「中国版Google Workspace」はありません。逆に、無料のGoogleアカウントを持つ相手とのやり取りが多い場合は、URL共有が基本のGoogleがスムーズです。
- 社内のITリテラシー:専任のIT担当者が不在なら、設定がシンプルなGoogleがおすすめです。逆に、厳格なセキュリティポリシーやデバイス制御が必要なら、Microsoft 365(特にPremium)の管理能力が役立ちます。
- コスト面:単純な月額費用だけでなく「新調するPCにOfficeが付帯される必要があるか」「PCはWindowsOSである必要があるか」などを考慮しツールを選択することで、初期または将来的なコストを抑えられる可能性があります。
- 機能ではなく使用感で選ぶ:できることに差異はなくても、扱いやすさは異なります。「カレンダーに予定を入れる」だけでも使用感に違いがあるため、一度トライアルで試してみることを推奨します。
どちらを選ぶべきか?
Microsoft 365向きの企業
- Excel/Wordが多用または必須の企業
- 財務会計や設計など、高度な計算・書式設定、複雑な資料作成が必要な企業
- 段階的にクラウド化を進めたい企業
Google Workspace向きの企業
- リモートワークやチーム内でのコラボレーションワークが活発な企業
- クラウドを中心に、新しい情報共有や共同作業を推進したい企業
- IT管理に手間をかけず、直感的な操作性を求める企業
ツール選びは「働き方(文化)」選び
結論として、「Excelが使えるか」「ストレージが何GBか」といった単純な機能比較に意味はありません。 本当の判断基準は、「今の働き方(文化)をどう変えたいか」にあります。
「既存の業務の在り方をさらに拡張したい」ならMicrosoft 365
「働き方そのものをクラウド中心へ変えたい」ならGoogle Workspace
自社が目指す未来のチーム像をイメージして、最適なツールを選んでください。

